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日本における外国人労働者の数
近年、島国である日本でも、身近で外国人を見かけることが珍しくなくなりました。一体どのくらいの人数の外国人が日本に住んでいるのか??ということを疑問に思っている方も少なくないと思います。
令和元年6月には2,829,416人の外国人が日本で生活しているようです。
17年前と比べおよそ3.3倍増えていることがわかります。
外国人観光客の推移
因みに外国人観光客数は2020年1月17日の日本政府観光局(JNTO)では、およそ31,882,000人(推計)となった旨を発表しています。
10年前2010年1月の日本政府観光局の発表では8,612,000人でした。この10年でおよそ4倍程度の増加です。観光大国と呼ばれる日は近いと感じています。
2018年のウィキペディアデータでは日本はイギリスに次ぐ11位の観光客数です。 因みに、1位はフランス、2位スペイン、3位アメリカ合衆国となっています。
ビザ(在留資格)の種類
下図の赤枠、外国人が日本で働くために必要なVISA、正式には「就労が認められる「在留資格」」と言いますが、総称して「就労VISA」や「Working VISA」なんて呼ばれているものです。実は細かく種類が分かれており、単に「就労VISA」と行ってもこれだけの種類があります。
例えば「経営・管理」のVISAをもって、会社を経営している外国人が副業として、別の会社の一般社員となることは原則として認められません。その逆もまた然り、「技術・人文知識・国際業務」のVISAをもって、お休みの土日等を利用し、起業、事業を行う、といったことも原則、認められません。 また、就労VISAをもっているからといって、原則「単純労働とみなされる業務」に就くことも認められません。
外国人雇用の注意点
外国人を雇用する際、どのような種類のVISAをもっているのか??この業種、業務内容で雇用することに問題はないか??ということを雇用主もしっかりと確認する必要があります。不法就労助長罪に問われてしまう可能性もあります。
(知らなかったでは済みません。)
すでにVISAをもっている外国人が、その業務に就いて問題ないかは「就労資格証明書」を入国管理局に求めれば安心です。 資料の青枠、いわゆる「身分系の在留資格」こちらのVISAをもっていれば日本人と変わらず、経済活動を自由に行うことが可能です。
どの種類のビザ(在留資格)で在留しているのか
上図の左側在留資格別、こうしてみると単純労働原則NGの一般的な就労VISAである「技術・人文知識・国際業務」よりも「技能実習」の方の方が多いことがわかります。日本としてはより優秀な外国人、「技術・人文知識・国際業務」や「経営・管理」あるいは「高度専門職」等が増えてほしいというのが理想かもしれません。 「技能実習」では、日本で学んだ技術を本国へ持ち帰ってもらう、という国際貢献の意味合いがありますが、現状の日本では大切な労働力となってしまっている部分は否定できません。
コンビニのレジの外国人VISA(在留資格)
「留学VISA」の数も多いです。留学生は「資格外活動許可」をもって、就労業種・内容を限定されません。(一部、風俗営業等制限あり)単純労働もOKです。居酒屋でのホールスタッフやコンビニでのレジ等で見かける外国人の大半は留学生と思われます。 1週間に28時間以内のアルバイトという制限もあります。学生は仕事よりもキチンと勉強に励みなさいね、ということです。よくある質問として、この1週間に28時間というのはどこから(何曜日から)起算しても1週間28時間以内というのが重要です。
VISA(在留資格)「特定技能」とは
新しく創設された「特定技能」VISAについてです。
業種の限定はされていますが、専門性が高い分野での外国人の受け入れが始まりました。今までは認められなかった、例えば、外食業でのホールスタッフや建設業の作業員、宿泊業の一般業務等での受け入れが可能となりました。
特定技能の人材要件について
「相当程度の知識または経験を必要とする技能」ということで各種、技能検定試験や日本語能力試験にパスした人材や、過去に技能実習2号として優秀に過ごした人材(技能試験や日本語検定試験が免除)等でなければ受け入れることはできません。ですが大卒・国内の専門学校卒等の学歴の要件はありません。
特定技能2号とは
この「特定技能」ですが、今のところ2号に延長できるのは「建設と造船・船用工業」のみとなっています。2号に移行できないということは最大5年間しか日本に滞在することはできません。緩和されていくことを願っています。
2号に移行すれば、VISAの更新も可能です。更新ができれば永続的に日本で就労することが可能です。
特定技能での永住許可申請
「特定技能1号」や「技能実習」で留学生から合わせて引き続き10年日本に滞在しても、永住の要件である日本での「就労期間5年間」の要件は満たしません。 永住の要件としては引き続き日本に10年滞在し、その中、「就労VISA」で5年以上活動していること、現在のVISAの期間が最長のもの、が必要です。(現状は3年でも可)。(日本人の配偶者等、特例あり)特定技能2号では就労期間としての加算が可能です。
特定技能の職業別分野について
14分野で認められる「特定技能」ですが、例えば建設業をとって建設業だからどのような業務でも認められる訳ではありません。
実際の作業内容により細かく区分されていますので、どの分野・業務に当てはまるのかをしっかりと確認することが重要です。どの業種にも言えることですが、実際の業務によって技能検定試験が変わってきますので、実際の業種にあった検定試験をPASSしているのかの確認が重要です。
特定技能の給与について
「技能実習」では給与として、最低賃金を保証している企業も多いと思いますが、「特定技能」での雇用では、「日本人と同等以上」の給与の支払いが求められます。日本人と同等とは、実際の業務で日本人を雇用した場合に支払われる給与金額と同等という意味です。(同等以上かどうか、給与額を証明する必要があります。)よって、外国人労働力を安く使うということはできません。
特定技能における建設業の業務区分追加
特に建設業での雇用は2号対象業種の為か、危険な作業が多い為か、要件が厳しいと感じます。しかし特定技能2号に移行し、永続的な雇用が期待できます。
そして最近、業務区分が7種追加され、全部で18業務になりました。
この調子でどんどん緩和されていくことを期待しています。
「技能実習」と「特定技能」の違い
上図は技能実習と特定技能の比較表です。 介護を除く「技能実習」では日本語能力や、技術水準の要件が殆どないのに対し、「特定技能」ではそれらに対しての要件があります。また「技能実習」の雇用は、送り出し機関と呼ばれる海外の団体を通しての雇用が必要となっています。これに対し、「特定技能」では試験にパスした人材から広く選出することが可能なため、技能実習生よりも言葉の面を含めてコミュニケーションのハードルが低くなるものと思われます。
特定技能の現状
まだまだ数が伸び悩んでいる「特定技能」ですが、日本は少子高齢化の為、慢性的な人手不足ゆえ、この先どんどん増えることが予想されます。
以前、技能実習生も最初は思ったより数が伸びなかったようですが、現在では 36万人以上の技能実習生がいます。「特定技能」では今後5年間で345,000人の受入れ見込み数となっています。
特定技能外国人の人数推移
上図の通り産業分野別では、飲食料品製造業界が特定技能人材を多く雇用している傾向にあります。
今後、深刻な人手不足を抱える業界においては特定技能外国人の雇用が対策の一つとなっていくと予想されます。
まだ、特定技能外国人の全体数は多くありませんが、増加傾向にあることがわかります。
制度の内容が分かりづらい事と手続きの猥雑さ、特定技能2号移行業種以外の雇用期間(5年が上限)等が原因となっていることが考えられます。
特定技能検定試験について